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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻13号

1993年12月発行

文献概要

明日の検査技師に望む

細胞診との出会いと軌跡

著者: 髙橋正宜1

所属機関: 1(株)エスアールエル細胞病理研究所

ページ範囲:P.1060 - P.1060

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 臨床検査と自動化の進歩は切り離せない関係にあるが,1956年ごろ病理学では米国でかなり先駆けてテクニコンの自動包埋装置が24時間稼動し,肉眼所見も組織所見も口述で録音し,タイプ報告がなされていた.それにもかかわらず40年も経て,その機構がほとんど変わっていないのはどうしたことであろうか.私が基礎に在席したのは大学院のわずかに3年で,米国における臨床例を中心とした病理学が臨床検査の出発点となった.細胞診との出会いはそのときである.
 “癌とは基底膜を破って周囲の正常組織を破壊性に,浸潤性に進展する自律性増殖の腫瘍で,血管やリンパ管行性に転移を起こすものである”という概念をたたき込まれていた私には細胞診はまさにショックであった.組織染色でアザン・マロリーの美しさは知っていたが,パパニコロウ法のオレンジG,ライトグリーン,ビスマルクブラウンを基調とした多彩な鑑別染色と優れた透明度には魅せられずにはおられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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