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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻13号

1993年12月発行

文献概要

検査データを考える

病理組織標本にみられるアーチファクト

著者: 高梨利一郎1

所属機関: 1三井記念病院中央検査部病理検査科

ページ範囲:P.1111 - P.1116

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はじめに
 光学顕微鏡で観察する病理組織標本は,理想的には自然のあるがままの姿を表現したものが望ましいわけであるが,他の臨床検査材料と同様に各種の標本作製過程(preparation process)を経過して組織標本となるのであるから,各段階での誤りや方法そのものから望ましくない人工産物(アーチファクト;artifact)を生ずる.この人工産物が最も少ないものが良い組織標本といえると同時に,アーチファクトの多いものは悪い組織標本である.しかし,病理組織検体の組織採取にはさまざまな制約があるうえに,固定,切り出し,脱水・パラフィン浸透,パラフィン包埋,ミクロトームによる薄切,脱パラ,染色,封入,ラベル貼りまでの全標本作製過程の各段階でアーチファクトが生ずるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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