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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻2号

1993年02月発行

文献概要

講座 英語論文を読む・26

剖検成績に基づく肺癌リスクの病理的指標としての能動的喫煙および受動的喫煙の調査

著者: 弘田明成1

所属機関: 1駒沢病院内科

ページ範囲:P.152 - P.153

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 目的:不随意的喫煙と肺癌の関係はほとんどの疫学研究によって支持されているが,一部の研究者や利益団体はこれらの成績には統計的偏りの要素が完全に除外されていないことを主張している.肺癌における直接喫煙や他の因子の影響の役割に関連した剖検研究は少なく,受動的喫煙の役割に関する研究は今までに皆無である.われわれはギリシャのアテネにおいてそのような剖検に準拠した研究を行った.
 設計:アテネおよびその近郊で呼吸器疾患や肺癌以外の原因で死亡して4時間以内の男女において35歳以上の400名の死亡者から剖検時に肺組織を採取した.各人において主気管支と葉気管支から少なくとも7つの組織塊を,さらに平均して約20のより小さい軟骨気管支と膜性細気管支を含む肺実質を少なくとも5つを採取した.これらの組織はそれぞれの被検者がさらされた環境の情報を前もって知らさないようにしてイタリアのトリノで検査に供した.被検者283名(71%)の気管支上皮組織の保存状態が病理的検査に満足できるものであった.さらにその中の206名(73%)の近い親類と面談を調整することができ,死亡した当人とその配偶者の喫煙習慣ならびにその他の諸条件に焦点を合わせて聴取した.面談した人は病理的検査の結果を知らされていなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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