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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻2号

1993年02月発行

文献概要

トピックス

ガンシクロビル

著者: 正岡徹1

所属機関: 1大阪府立成人病センター第5内科

ページ範囲:P.170 - P.171

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 サイトメガロウイルス感染症(CMV)は免疫抑制状態の患者においてよくみられる.特に最近は後天性免疫不全症候群(AIDS)や免疫抑制療法を受けた癌患者,および臓器移植を受けた患者に発生することが多い.また,このサイトメガロウイルス感染症はまれな疾患ではあるが,発症すると重症となり,失明や死亡に至る症例が多い.このようなサイトメガロウイルス感染症に対して,最近新しい抗ウイルス剤が開発されてきた.
 ガンシクロビル(9-〔[2-hydroxy-1-(hydoxymethyl)ethonxy]methyl〕)guanine(DHPG,以下GAN)は,CMV感染細胞内においてCMV DNAポリメラーゼの基質であるデオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗し,ウイルス合成を阻害し,優れた抗CMV活性を示すことが知られている.本剤は厚生省の審査中に緊急供与依頼により188例に投与された.これが現在日本における最多数例の成績であるのでこれについて述べる.表に示すように対象となった症例は骨髄移植,腎移植,白血病の化学療法中,AIDSなどに合併したCMV感染症であり,感染部位では肺炎,網膜炎,肝炎,大腸炎などであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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