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けんさアラカルト
臨床検査と「医の倫理」
著者: 小山田耕治郎1
所属機関: 1近畿医療技術専門学校
ページ範囲:P.204 - P.204
文献購入ページに移動 検査技師教育の中で,臨床検査の定義は与えられていない.『医学部において,医学とはなにかを教えられない』1)ことを考えると,技師教育の現状は当然なのかもしれない.専門の諸分科とは別に,医学とは何か,臨床検査とは何かを全体的に取り上げる哲学的思考は,わが国の医療技術職の教育では乏しいと言わざるを得ない.大学教育の場合はまだ救いがある.医と倫理の不可分を考える基礎をつくる倫理学は一般教養科目で選択できるし,医学部では,専門科目の「医学概論」は他の職種のように,概括的知識として講ぜられることはないと思われるからである.
検査技師は,業務全体の概念を持たず,医学・医療に対する客観的認識も薄いまま,医療技術者の一員として実践に加わる.したがって医の倫理は,病院実習と卒業後の実務から個人こじんで断片的に身につけることになる.もちろん,実務家として医の倫理を経験から学ぶことは大切であるが,経験でしか学べないままにしておいて済む問題ではない.このような現状に疑問を感じ,18年前次の定義を私見として提出した2).
検査技師は,業務全体の概念を持たず,医学・医療に対する客観的認識も薄いまま,医療技術者の一員として実践に加わる.したがって医の倫理は,病院実習と卒業後の実務から個人こじんで断片的に身につけることになる.もちろん,実務家として医の倫理を経験から学ぶことは大切であるが,経験でしか学べないままにしておいて済む問題ではない.このような現状に疑問を感じ,18年前次の定義を私見として提出した2).
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