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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻3号

1993年03月発行

文献概要

トピックス

麻疹viral sheddingの期間

著者: 目黒英典1

所属機関: 1帝京大学市原病院小児科

ページ範囲:P.231 - P.232

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 麻疹ウイルス(measles virus;MV)は極めて感染力が強いにもかかわず,他のパラミキソウイルスに比較して分離培養が容易でなかった.その最大の原因はMVに感度の良い細胞が見つからなかったためであった.KobuneらはMVの分離培養に極めて感度の良い(従来用いられてきたvero細胞の104倍の感度の)B95a細胞を開発した1).筆者らはこのB95a細胞を用いて,麻疹におけるウイルス分離を4年間ほどかけて検討し,真のviral shedding(ウイルス排泄)に近いと思われる成績を得たので紹介する2)
 これまで,麻疹のウイルス分離については1957年に報告された成績が多くの成書の基になってきた3).すなわち,発疹出現前48時間から,発疹出現後32時間までは咽頭ぬぐい液や末梢血(全血)から分離できるが,発疹出現後36時間以降は分離できなくなるというものである.血中抗体の出現によりMVは急速に体内から消失すると考えられてきた.しかし,臨床的経験から,カタル期の始まりから発疹出現後3〜4日は感染力があることがわかっており,臨床経験とウイルス分離成績には食い違いがあったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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