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技術講座 微生物
栄養要求の厳しい菌種のMIC測定法—日本化学療法学会標準法を中心に
著者: 小栗豊子1 三澤成毅1
所属機関: 1順天堂大学附属病院中央臨床検査室
ページ範囲:P.333 - P.339
文献購入ページに移動日本化学療法学会は1992年,栄養要求の厳しい菌種(Ⅰ)ならびに嫌気性菌(Ⅱ)を対象とした微量液体希釈法によるMIC測定法の標準法(案)を設定した.これらの方法は,アメリカ臨床検査標準委員会(NCCLS)の提案する標準法と類似する部分があるが,(Ⅰ)では培地処方に改良を加え,Haemophilusを含む栄養要求の厳しい菌種に対し共通の培地で測定できるようにしたこと,MICのエンドポイントの判定に詳細な指示を与えた点などで異なる.嫌気性菌を対象とする方法では測定用培地に国産のものを採用したこと,菌接種に先立ち予備還元を義務づけたことなど,NCCLS標準法とはかなり異なっている.なお,日本独自の培地を推奨した理由は広範囲の嫌気性菌の発育支持力を有すること,培地の沈殿物がほとんどなく判定しやすいことなどが挙げられる.
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