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講座 英語論文を読む・28
高度肥満女性における体重減少の組成:古い方法の新しいみかた
著者: 弘田明成1
所属機関: 1駒沢病院内科
ページ範囲:P.356 - P.357
文献購入ページに移動 7人の食事療法中の高度肥満者の体重が減少し(平均±標準偏差,14±1kg),その体重減少の内訳を6つの違った方法で測定した.総体水分(TBW),総体カリウム(TBK),体比重,骨塩成分と二重光子吸光光度法(DPA)で測定した体脂肪を減量前と後の体重安定期に測定した.脂肪喪失は3つの2コンパートメント法(2C-TBW,2C-TBK,水密度法[2C-HD]),1つの3コンパートメント法(除脂肪重量の水成分による補正を行ったHD法)と1つの4コンパートメント法(除脂肪重量を水分と無機質量による補正を行ったHD法,4C)で計算し,ならびに二重光子吸光光度計で直接測定した.体重喪失は2C-TBK法(体重減少の66%が脂肪)以外のいずれのモデルでも似通った結果となった(平均体重減少の脂肪分はDPA法で89%,4Cで91.5%,3Cで89%,2C-HDで88.6%,2C-TBWで87%).多コンパートメントモデル(63〜112%)やDPA法(76〜107%)に比較して2C-TBW法や2C-TBK法(それぞれ17〜138%と18〜93%)を用いた場合では個人の値はさらに広い変動幅を示した.同一個人についても2C-TBK法と2C-TBW法を用いた場合ではほとんど反対の結果となった.
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