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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻5号

1993年04月発行

文献概要

増刊号 臨床化学実践マニュアル I.緊急検査への対応

3.浸透圧

著者: 越川昭三1

所属機関: 1昭和大学医学部附属藤が丘病院内科

ページ範囲:P.22 - P.23

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■血清浸透圧測定の意義
 1.浸透圧の生理的意義
 血清浸透圧が生体において果たしている役割は,細胞内外の水の移動を調節することである.膜を隔てて2つの溶液が存在するとき,水は浸透圧の高い液のほうに移動する.生体では細胞膜を境にして細胞内液と細胞外液が存在する.細胞外液の浸透圧が高くなると,水は細胞内から細胞外に移動し,逆に細胞外液の浸透圧が低くなると,水は細胞外から細胞内に移動する.
 赤血球を生理食塩水液に入れると何の変化も起こらないが,濃い食塩液に入れると縮小して金平糖のようになり,薄い食塩液に入れると膨れ上がって溶血する.生体内では,細胞容積がこれほど大きく変化することはないが,細胞容積の変化は細胞機能に影響を及ぼす.それが端的に臨床症状となって現れるのが中枢神経系である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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