文献詳細
増刊号 臨床化学実践マニュアル
話題 1.実試料標準物質
文献概要
躁病の薬物治療剤として炭酸リチウムを用いるには,血清リチウム濃度が一定の範囲に維持されるように投与量を調節しなければならない.血清リチウム濃度の測定は,従来はフレーム光度法あるいは原子吸光光度法によって行われてきたが,最近ではリチウム選択性電極が開発されたことに伴い,簡便で迅速なイオン電極法が普及してきた.
イオン電極法で血清リチウムを測定する際の問題点は,1番目として血清中の蛋白,脂質などのマトリックス効果による電極への影響,2番目として電極膜のナトリウムに対するリチウムの選択性が十分ではないことから共存するナトリウムの影響が大きいという点である.これらの問題を解消する方法としては,1番目については,実試料に性状が最も近いヒト血清をベースとした標準血清を用いることでほぼ解消できる.2番目については,市販の測定装置ではリチウムと同時にナトリウムも併せて測定し,ナトリウムの影響を補正するようになっているが,この場合でもナトリウムの測定値の信頼性を高めるうえで標準血清を用いることが必要である.
イオン電極法で血清リチウムを測定する際の問題点は,1番目として血清中の蛋白,脂質などのマトリックス効果による電極への影響,2番目として電極膜のナトリウムに対するリチウムの選択性が十分ではないことから共存するナトリウムの影響が大きいという点である.これらの問題を解消する方法としては,1番目については,実試料に性状が最も近いヒト血清をベースとした標準血清を用いることでほぼ解消できる.2番目については,市販の測定装置ではリチウムと同時にナトリウムも併せて測定し,ナトリウムの影響を補正するようになっているが,この場合でもナトリウムの測定値の信頼性を高めるうえで標準血清を用いることが必要である.
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