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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻5号

1993年04月発行

文献概要

増刊号 臨床化学実践マニュアル 話題 1.実試料標準物質

イオン化力ルシウム標準血清

著者: 桑克彦1 梅本雅夫2

所属機関: 1筑波大学医療技術短期大学部 2(財)化学品検査協会

ページ範囲:P.53 - P.53

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 血中の総カルシウム濃度は約2.5mmol/lであるが,そのうちの約50%が実際に生理的活性を有している遊離型のカルシウムイオン,すなわちイオン化カルシウム(Ca2+)である.イオン電極法は血中のCa2+を直接測定できる唯一の方法であり,国内および国外のメーカー約10社以上からイオン電極法を用いた日常検査用の測定装置が市販されている.
 しかし,臨床面で要求される信頼性に対して測定値の機器間差,経日変化が大きいことと併せ,正確さの基準となる測定法自体が確立していなかったことから測定値の信頼性は必ずしも十分とはいえなかった.これらの問題点を解決するために,ヒト血清をベースとしたイオン化カルシウム標準血清が(財)化学品検査協会から新たに供給されることになった.標準血清はガラスアンプルに封入され,-20℃以下で冷凍保存されている.血清のカルシウム濃度はpH依存性が高いため,標準血清を使用する場合は25℃の水浴中で融解して,あらかじめアンプル内のCO2分圧とpHを一定の状態にしてから測定しなければならない.また,標準血清の標準値の測定は国際的な整合性を得る目的で作成されたIFCC(国際臨床化学連合)のpH/Blood Gas Electrolyte Expert Panelの勧告案に定められている方法に基づいている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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