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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻5号

1993年04月発行

文献概要

増刊号 臨床化学実践マニュアル 話題 1.実試料標準物質

Po2標準ヘモグロビン血清

著者: 桑克彦1 梅本雅夫2

所属機関: 1筑波大学医療技術短期大学部 2(財)化学品検査協会

ページ範囲:P.57 - P.57

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 血液pH/血液ガスの測定は,特に救急救命検査としての最重要項目として用いられている.Po2の測定は一般的にはクラーク型電極によって行われている.しかし,電極法による測定においては,血液試料のマトリックス効果が測定結果に大きな影響を与えることは周知のとおりであり,実際に市販の血液ガス分析装置を用い同一全血のPo2を測定した結果を図に示した.測定値には,機種間で大きな乖離が認められた.これは主として,酸素透過膜における校正ガスと血液試料の酸素の透過速度が異なることによる.測定値の正確さに関しては,トレーサビリティ体系に基づく酸素標準ガスを用い,標準トノメトリーしたヒト全血を用いて評価することができるが一般的ではない.
 そこで,測定値の正確さを簡単に評価するための標準試料が求められていた.現状では全血を安定化できないので,電極に対する挙動がヒト全血と一致する特定のウシヘモグロビンを原料とするアンプル入り標準試料を開発した.この標準試料は,特定のウシ全血から赤血球を分離し溶血させた後,限外濾過により所定のヘモグロビン濃度とし,酸素ガスを吸収させ調製したもので,3レベルから成り,(財)化学品検査協会から供給されている.標準試料の保存は冷凍庫で行い,使用に当たっては恒温水槽を用い気液平衡を確実に行う必要がある

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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