検査と技術21巻5号

1993年04月発行

増刊号 臨床化学実践マニュアル II．日常検査における異常値への対応 4．糖・糖関連成分，有機酸成分

（1）糖・糖関連成分

著者： 中尾義喜¹ 梶川達志¹ 多田達史¹

所属機関： ¹香川医科大学附属病院検査部

ページ範囲：P.97 - P.105

■糖：グルコース
　1．日常検査法（表1）
　1）GOD-POD法
　D-グルコースには光学異性体があり，α-D-グルコース（36％）とβ-D-グルコース（64％）の2種類が存在している．グルコースオキシダーゼ（GOD）はβ型への基質特異性が高く，α型へはほとんど作用しない．α型からβ型への変換には少し時間がかかるため，反応を短時間で行うには，ムタロターゼにより，α型からβ型への変換を行う必要がある．
　D-グルコースは，酸素（O₂）存在下でGODによるD-グルコン酸と過酸化水素（H₂O₂）を生ずる．