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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻5号

1993年04月発行

文献概要

増刊号 臨床化学実践マニュアル II.日常検査における異常値への対応 6.酵素成分

(11)LCAT

著者: 牧瀬淳子1

所属機関: 1横須賀共済病院中央検査科

ページ範囲:P.144 - P.147

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 1935年,Sperry1)は,血清を放置するとコレステロールエステル〔ester cholesterol:EC(=CE)〕が増加する現象を見つけ,血漿中にコレステロール(free cholesterol;FC)をエステル化する酵素が存在することを示唆した.次いでGlomset2)は放射性同位元素を用いた研究により,レシチンのβ位脂肪酸をFCの3β-OH基に転移し,ECを生成するというレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(lecithin cholesterol acyltransferase;LCAT;EC 2.3.1.43)の存在を明らかにした.
 このLCATは肝臓で生成され,流血中でリポ蛋白に作用しFCのエステル化反応を触媒する酵素であり,血中および組織の脂質代謝に関与している.この反応の活性化にはアポAI蛋白が必要であり,アポAII蛋白はLCATを阻害すると考えられている.その生理的役割についてもしだいに明らかにされてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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