検査と技術21巻5号

1993年04月発行

増刊号 臨床化学実践マニュアル II．日常検査における異常値への対応 12．血液ガス，浸透圧，粘度

（2）浸透圧

著者： 関口光夫¹

所属機関： ¹日本大学板橋病院臨床検査部

ページ範囲：P.187 - P.189

はじめに
　臨床検査における浸透圧の測定は，生体の浸透圧調節系異常の鑑別診断，水・電解質バランスの把握あるいは輸液により外因性物質が血中に増加した場合などの識別に重要な意義を持っており，緊急性の高い検査の1つである．その測定は氷点降下法を原理とする浸透圧計により簡単に測ることができ，単位はmOsm/kgH₂Oで表される．
　ここでは浸透圧の測定に際し，測定試料の取り扱い，計算浸透圧，オスモラルギャップ，測定値の取り扱いなどを中心に述べたい．