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増刊号 臨床化学実践マニュアル V.分析基礎技術 1.試薬の調製
試薬の調製
著者: 中野尚美1 近浦靖1
所属機関: 1銀杏学園短期大学衛生技術科
ページ範囲:P.238 - P.244
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臨床化学分析のほぼ全過程の自動化およびシステム化が可能となった現在,検査技師の立場からすれば,測定技術を一見奪われたかに見えると同時に,測定に使用する試薬の調製も試薬メーカーに依存することを余儀なくさせられてしまった.しかし,検査室の主要な業務の1つは,検査項目ごとに,その施設に最も適した分析装置と試薬を数多い中から自らの判断で選ぶことであるので,たとえ用手法で患者の検体を直接測定しなくても,検査技師は自らの施設に適した分析手段を選定するに当たって,知識を駆使し,種々検討し評価したうえで判断しなければならない.また,いったん決めた日常分析法の内部精度管理を常に行うと同時に,外部精度管理に参加し,自らの判断を再評価する必要があろう.この評価をどのようにして行うかがこれまではあまり明確にされていなかったが,近年,検査の標準化が取り上げられ,より明確になったと思われる.
標準化の一環として測定項目ごとに標準的測定法が,わが国では日本臨床化学会から勧告され始めた.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)1),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)1),クレアチンキナーゼ(CK)2),アルカリ性ホスファターゼ(ALP)2),乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)2)の酵素5項目,また,血清グルコース3)に対しても勧告法がすでに公表された.他の項目についてもいずれ公表されるであろう.
臨床化学分析のほぼ全過程の自動化およびシステム化が可能となった現在,検査技師の立場からすれば,測定技術を一見奪われたかに見えると同時に,測定に使用する試薬の調製も試薬メーカーに依存することを余儀なくさせられてしまった.しかし,検査室の主要な業務の1つは,検査項目ごとに,その施設に最も適した分析装置と試薬を数多い中から自らの判断で選ぶことであるので,たとえ用手法で患者の検体を直接測定しなくても,検査技師は自らの施設に適した分析手段を選定するに当たって,知識を駆使し,種々検討し評価したうえで判断しなければならない.また,いったん決めた日常分析法の内部精度管理を常に行うと同時に,外部精度管理に参加し,自らの判断を再評価する必要があろう.この評価をどのようにして行うかがこれまではあまり明確にされていなかったが,近年,検査の標準化が取り上げられ,より明確になったと思われる.
標準化の一環として測定項目ごとに標準的測定法が,わが国では日本臨床化学会から勧告され始めた.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)1),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)1),クレアチンキナーゼ(CK)2),アルカリ性ホスファターゼ(ALP)2),乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)2)の酵素5項目,また,血清グルコース3)に対しても勧告法がすでに公表された.他の項目についてもいずれ公表されるであろう.
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