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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻5号

1993年04月発行

文献概要

増刊号 臨床化学実践マニュアル V.分析基礎技術 4.酵素的分析法

酵素的分析法

著者: 松本宏治郎1

所属機関: 1東邦大学薬学部臨床化学

ページ範囲:P.279 - P.286

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はじめに
 酵素を用いる分析法は,反応が緩和な条件で短時間に進行し特異的であることから,複雑な共存系である血清や尿試料を分析対象とする臨床化学検査では,免疫化学的分析法とともに,生物学的親和性を利用した分析法の代表として欠くことのできない分析法となっている.ほとんどの生体成分は,生体の物質代謝の産物,すなわち酵素反応の産物であるので,原理的には酵素反応の組み合わせにより,これらの測定が可能である.しかしながら,分析対象が広がるに従い,このような酵素的分析法に対する神話も,一部再考する必要が生じている.免疫化学的分析法では,抗体の交差反応性が問題となるのと同様に,酵素の基質特異性はそれほど厳密なものではなく,測定対象が微量になれば,非特異的反応が相対的に無視できなくなる.また,酵素試薬の純度や安定性には十分な考慮が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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