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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻5号

1993年04月発行

文献概要

増刊号 臨床化学実践マニュアル 話題 2.生理活性物質

G-CSF投与による検査値の変動

著者: 米満博1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.292 - P.292

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 granulocyte colony stimulating factor(G-CSF)は好中球前駆細胞に作用してその分化,増殖を促すばかりでなく,成熟好中球に対しても種々の機能を亢進させるサイトカインの一種である.現在では遺伝子組換えによりrecombinant human(rh)G-CSFが生産されて治療に供され,期待どおりの優れた効果を上げている.本剤は骨髄移植時の好中球数の増加促進,悪性リンパ腫,固形癌に対する化学療法に起因する好中球減少症,骨髄異形成症候群,再生不良性貧血に伴う好中球減少症,先天性,続発性好中球減少症に対し適応がある.つまり,本剤の目的とする効用は種々の原因により生ずる,あるいは生じている好中球減少の回復を促すことにある.本剤は注射薬として投与され,点滴静脈内投与,皮下投与が可能である.
 本剤投与により最も影響を受ける検査は,いうまでもなく白血球数と好中球数である.これは投与量,投与方法ならびに対象となる患者の骨髄の状態により反応のしかたは異なる.好中球造血の正常な人への本剤1回静脈内投与では4〜8時間で白血球数は最高に達する.最高好中球数は用量依存的に増加する.そして24〜48時間で前値に復する.連日投与をすれば白血球数,好中球数が高い値に維持されることはいうまでもない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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