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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻6号

1993年05月発行

文献概要

今月の表紙

肝細胞癌

著者: 星利良1 都竹正文1 坂本穆彦2

所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.436 - P.436

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 肝の悪性腫瘍は,原発性肝癌と転移性肝癌に分けられ,原発性肝癌は肝癌全体の10%の割合で認められる.
 原発性肝癌には,肝細胞由来の肝細胞癌(hepatocelluar carcinoma)と,胆管上皮由来の胆管細胞癌(cholangiocellular carcinoma)がある.このうち肝細胞癌は,わが国の全悪性腫瘍の6〜7%を占めており,好発年齢は,40〜60齢で男女比は2:1で,男性に多い.肝硬変(特に乙型)と密接な関連があり,肝癌の80%が肝硬変を伴っているといわれている.他臓器への転移が比較的少なく,また癌細胞は腹水中にも出現しにくい.肝内門脈枝の腫瘍塞栓は高頻度に認められ,これによる閉塞が起こると急激な門脈圧亢進症状を示す.検査所見では,GOT,アルカリホスファターゼ,γ-GTPなどが高値を示す.肝細胞癌の25%にHB抗原が陽性を示しているという報告もある.腫瘤は軟らかく,肉眼的には結節型・塊状型・びまん型の3型に分類される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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