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肝細胞癌
著者: 星利良1 都竹正文1 坂本穆彦2
所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2東京大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.436 - P.436
文献購入ページに移動原発性肝癌には,肝細胞由来の肝細胞癌(hepatocelluar carcinoma)と,胆管上皮由来の胆管細胞癌(cholangiocellular carcinoma)がある.このうち肝細胞癌は,わが国の全悪性腫瘍の6〜7%を占めており,好発年齢は,40〜60齢で男女比は2:1で,男性に多い.肝硬変(特に乙型)と密接な関連があり,肝癌の80%が肝硬変を伴っているといわれている.他臓器への転移が比較的少なく,また癌細胞は腹水中にも出現しにくい.肝内門脈枝の腫瘍塞栓は高頻度に認められ,これによる閉塞が起こると急激な門脈圧亢進症状を示す.検査所見では,GOT,アルカリホスファターゼ,γ-GTPなどが高値を示す.肝細胞癌の25%にHB抗原が陽性を示しているという報告もある.腫瘤は軟らかく,肉眼的には結節型・塊状型・びまん型の3型に分類される.
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