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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻6号

1993年05月発行

トピックス

レーザーサーミア

著者: 不破信和1

所属機関: 1愛知県がんセンター放射線治療部

ページ範囲:P.465 - P.467

文献概要

■レーザーサーミアとは
 レーザーサーミアはレーザーとハイパーサーミアを合わせた造語であり,レーザーを用いた癌の温熱療法と理解してもらえればよい.従来のNd:YAGレーザー,CO2レーザーは非常に高温で組織を一瞬にして凝固,蒸散させる方法であるが,レーザーサーミアはもっと低い温度で広範囲を加温する方法で,同じレーザーといってもその作用機序はまったく異なる.レーザーサーミアの使用レーザーは,Nd:YAGレーザーであるが,従来用いられている出力より,はるかに低い2〜3Wという出力を用いる.Nd:YAGレーザー照射には組織とファイバー先端部(プローブという)を接触させる接触照射法と,接触させない非接触法とがある.レーザーサーミアにも両者の方法が可能であるが,現在広く用いられている方法は人工サファイアあるいはセラミックス製のプローブを組織内に刺入する接触照射法で,周囲組織にレーザーを拡散させることにより発熱させる.
 レーザーサーミアの歴史はまだ新しく,1983年Bown1)の穿刺型プローブを用いた実験が世界で初めてとされているが,臨床面では1985年頭頸部癌で昇2),1986年消化器癌で田尻ら3)が最初であり,わが国で臨床応用が進められたといってよいであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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