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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻9号

1993年08月発行

生体のメカニズム 脂質代謝・8

LDLと動脈硬化—一酸化LDL説を中心として

著者: 金沢武道1 小野寺庚午1

所属機関: 1弘前大学医学部第二内科

ページ範囲:P.741 - P.745

文献概要

酸化LDLの背景
 動脈硬化の成因に関しては単にコレステロールの高値が関与していると考えられていた時期から,種々の病態が詳細に研究され,多因子的に理解されるようになった.
 動脈の部位によってはアテロームの形成が異なることから血管の形状と血流との関係が重要であるという考え,動脈硬化病巣のfoam cell化したマクロファージの周囲にはTリンパ球が集まっていることからTリンパ球の作用が重要であるとする免疫説,コレステロールを主として運搬する低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein;LDL)のレセプターあるいはスカベンジャーレセプター異常による高コレステロール血症説や高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein;HDL)から他のリポ蛋白へのコレステロールエステル(CE)を転送するCE転送蛋白(cholesterol ester transfer protein;CETP)の産生低下によるとする逆転送系異常説,さらには種々のサイトカインの異常代謝に基づく二次的構成細胞増殖説など動脈硬化の成因に関しては急速な進歩がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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