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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻9号

1993年08月発行

文献概要

検査ファイル

EBNA-1

著者: 中村良子1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院臨床病理科

ページ範囲:P.749 - P.749

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 Epstein Barrウイルス(EBV)関連疾患,EBVの初感染に基づく伝染性単核症(infectious mononucleosis;IM)の診断には,EBV特異抗体の測定が必須である(表).特に,EBV特異的核内抗原(EBV-associated nuclear antigen;EBNA)の抗体価測定は,初感染では陰性,後に陽性を示すため重要である1).現在のところEBNAは1〜6まで同定されている.間接蛍光抗体補体法による通常のEBNA抗体は,EBNA 1〜4を保持するRaji細胞を用いるが,この細胞のEBNA発現率は低いためヒト補体を必要とするなどの問題点がある.近年,組換えDNA技術によりEBNA 1〜6を発現する細胞を用いて,各々の抗体測定が可能となった2).初感染後の抗体出現時期は,EBNA-2抗体が出現(2〜3か月)した後遅れて出現し(6か月以降)終生持続する3〜4)(図).
 現在,EBNA-1は,市販のカピーキット(コスモ・バイオ)を用いて測定可能である5).従来のEBNA抗体測定のみでは初感染か再活性化(reactivation)かの判定ができない症例の中には,EBNA-1測定により,初感染と判定→病因決定→診断→適切な治療が可能な場合がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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