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扁平上皮癌細胞
著者: 古田則行1 都竹正文1 坂本穆彦2
所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2東京大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.24 - P.24
文献購入ページに移動扁平上皮癌は病理組織学的には重層扁平上皮組織類似の構築がみられる癌と定義される.組織学的分化度によって,おおむね3段階に分けられる.角化が著明なものを角化型あるいは高分化型扁平上皮癌とし,角化のみられないものを低分化型,両者の中間を中分化型扁平上皮癌と分けることが多い.また,角化のみられないものを非角化型と分類することもある.しかし,発生臓器によって診断基準や用語の使いかたが若干異なる.
発生部位は通常,皮膚,口腔,咽頭,食道,子宮腟部などの扁平上皮組織に由来するが,正常では扁平上皮の存在しない気管支,副鼻腔,子宮頸部にも発生する.実際に細胞診の対象となるのは後者が多く,とりわけ子宮頸部,気管支を対象とする細胞診の比重は重い.
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