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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻10号

1994年09月発行

文献概要

トピックス

血小板の活性化Ca2+

著者: 藤元哲郎1

所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所内科

ページ範囲:P.836 - P.837

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 血小板は流血中に存在する最も小さな核のない細胞であり,出血時に露出された内皮下組織に粘着したりADPやトロンビンなどの各種刺激物質に反応して凝集し,その非可逆的変化により止血,あるいは血栓形成に主要な働きをしている.この機能発現,制御に細胞内Ca2+イオンがセカンドメッセンジャーとして重要な役割を担っている1).例えば,Ca2+イオノホアにより血小板は活性化され,また細胞膜の透過性を高めたスキンド血小板では外のCa2+濃度依存性に活性化する.逆に細胞内のCa2+をキレートする物質を加えることにより活性化が抑えられる.上昇したCa2+イオンにより種々の蛋白リン酸化酵素の活性化をはじめとする刺激応答機構が働くが,そのうち最も重要なものはCa2+-カルモジュリン依存性のミオシン軽鎖キナーゼの活性化で,それにより収縮蛋白であるアクチンとミオシンの重合が起こり,血小板の形態変化と放出反応がもたらされる.刺激物質の種類にかかわらず,これら血小板内Ca2+濃度上昇後の経路は基本的に同じものと考えられる.また細胞外のCa2+イオンはGPⅡb-Ⅲa複合体の構造維持と血漿中のフィブリノゲンとの結合に必須である.GP Ⅱb-Ⅲa複合体は血小板細胞膜の主要な膜糖蛋白で,これを介して血小板同士がフィブリノゲンで架橋されることが血小板凝集反応の本態である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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