icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻12号

1994年11月発行

文献概要

検査法の基礎

血清分離剤

著者: 松崎廣子1

所属機関: 1東京警察病院中央検査第一部

ページ範囲:P.957 - P.963

文献購入ページに移動
サマリー
 血清分離剤はその構造内に水素結合の網目構造を持たせた粘性流体である.この物質は力が加わると水素結合の網目構造が切断されて粘度の低い流体となり,力が取り除かれると水素結合が再結合してもとの網目構造が形成され,粘性の高い流体となる.この現象をチクソトロピー性という.分離剤はこの性質により,凝固した血液を遠心操作で血清と血餅の間にゲル状の隔壁を形成し,両者を物理的に完全に遮断する.その結果,血清の収率を高め,血清分離作業を容易にし,さらに血清を分取せず,そのままの状態で血清保存を可能にするなど血清の分取と保存業務を簡素化した.このことにより血清分離剤の利用は検査業務全般の簡素化と効率化に大いに役だっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?