文献詳細
文献概要
検査法の基礎
血清分離剤
著者: 松崎廣子1
所属機関: 1東京警察病院中央検査第一部
ページ範囲:P.957 - P.963
文献購入ページに移動サマリー
血清分離剤はその構造内に水素結合の網目構造を持たせた粘性流体である.この物質は力が加わると水素結合の網目構造が切断されて粘度の低い流体となり,力が取り除かれると水素結合が再結合してもとの網目構造が形成され,粘性の高い流体となる.この現象をチクソトロピー性という.分離剤はこの性質により,凝固した血液を遠心操作で血清と血餅の間にゲル状の隔壁を形成し,両者を物理的に完全に遮断する.その結果,血清の収率を高め,血清分離作業を容易にし,さらに血清を分取せず,そのままの状態で血清保存を可能にするなど血清の分取と保存業務を簡素化した.このことにより血清分離剤の利用は検査業務全般の簡素化と効率化に大いに役だっている.
血清分離剤はその構造内に水素結合の網目構造を持たせた粘性流体である.この物質は力が加わると水素結合の網目構造が切断されて粘度の低い流体となり,力が取り除かれると水素結合が再結合してもとの網目構造が形成され,粘性の高い流体となる.この現象をチクソトロピー性という.分離剤はこの性質により,凝固した血液を遠心操作で血清と血餅の間にゲル状の隔壁を形成し,両者を物理的に完全に遮断する.その結果,血清の収率を高め,血清分離作業を容易にし,さらに血清を分取せず,そのままの状態で血清保存を可能にするなど血清の分取と保存業務を簡素化した.このことにより血清分離剤の利用は検査業務全般の簡素化と効率化に大いに役だっている.
掲載誌情報