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アンチトロンビンⅢの先天性異常
著者: 阿部弘樹1
所属機関: 1熊本大学医学部第2内科
ページ範囲:P.1011 - P.1011
文献購入ページに移動[1]測定意義
血液中の重要な抗凝固物質であるアンチトロンビン-Ⅲ(AT-Ⅲ)の先天性異常は,2,000人から5,000人に1人の頻度で認められる常染色体優性遺性疾患であり,血栓性疾患の既往を有する患者の2〜3%は,AT-Ⅲの欠損または,異常にその原因があると報告されている1).先天性AT-Ⅲ異常症の患者では,通常,青年期以降に呼吸器感染症や手術侵襲,あるいは妊娠を契機として重篤な血栓症を発症することが多い.AT-Ⅲ異常症の分子生物学的検査は,発端者とその家系に血栓症治療方針のみならず発症予防のための的確な情報を提供するとともに本疾患発症の分子生物学的メカニズムを解くうえで重要な意義を有すると思われる.
血液中の重要な抗凝固物質であるアンチトロンビン-Ⅲ(AT-Ⅲ)の先天性異常は,2,000人から5,000人に1人の頻度で認められる常染色体優性遺性疾患であり,血栓性疾患の既往を有する患者の2〜3%は,AT-Ⅲの欠損または,異常にその原因があると報告されている1).先天性AT-Ⅲ異常症の患者では,通常,青年期以降に呼吸器感染症や手術侵襲,あるいは妊娠を契機として重篤な血栓症を発症することが多い.AT-Ⅲ異常症の分子生物学的検査は,発端者とその家系に血栓症治療方針のみならず発症予防のための的確な情報を提供するとともに本疾患発症の分子生物学的メカニズムを解くうえで重要な意義を有すると思われる.
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