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HCVの性的感染および母子間感染
著者: 黒木哲夫1 西口修平2
所属機関: 1大阪市立大学医学部肝炎センター 2大阪市立大学医学部第3内科
ページ範囲:P.1019 - P.1020
文献購入ページに移動C型肝炎ウイルス(HCV)感染の最大の特徴は「HCVは血中量が極めて少なく感染しにくいが,感染した場合には成人の初感染であってもキャリア化しやすい」ことである.つまり,初感染のB型急性肝炎は治癒しやすいが,C型急性肝炎はキャリア化して慢性肝炎,肝硬変,肝癌の経過をたどる可能性があり注意を要する.
HCV感染経路の解明はC型肝炎の予防に直結する疫学的重要課題であるが,いまだに不明な部分が多い.感染経路については輸血による感染が確認されているが,C型慢性肝炎患者における輸血既往は約30%程度の頻度にすぎず,残り70%は輸血以外の感染経路である.本邦におけるHCV感染者は120〜180万人と予測されているが,輸血以外の経路によるHCV感染が84〜126万人にも達することになる.特に,輸血血液のHCVスクリーニングにより現在は輸血による感染は激減しており,今後は輸血以外のHCV感染が中心となる.
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