文献詳細
文献概要
検査法の基礎
尿中低分子蛋白
著者: 黒田雅顕1
所属機関: 1帝京大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.1041 - P.1048
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分子量5万以下の尿中低分子蛋白は腎糸球体を容易に通過し,近位尿細管でそのほとんどが再吸収・異化されるため,正常では尿中排泄量はわずかにすぎない.ところが重金属中毒などの尿細管障害時には,その排泄量は増加し尿細管性蛋白尿を呈する.
その測定には蛋白尿鑑別のための定性法と尿細管障害の早期発見,経過観察に有用な定量法を使い分ける必要がある.また,尿細管障害がなくとも尿細管再吸収能を超える個々の低分子蛋白の血中での産生亢進時にも尿細管性蛋白尿を呈するため,その鑑別には微量アルブミンとの組み合わせ測定,あるいは血中濃度とのペア測定が有効である.
本稿では低分子蛋白を中心に,蛋白尿の考えかた,尿の扱いについても触れた.
分子量5万以下の尿中低分子蛋白は腎糸球体を容易に通過し,近位尿細管でそのほとんどが再吸収・異化されるため,正常では尿中排泄量はわずかにすぎない.ところが重金属中毒などの尿細管障害時には,その排泄量は増加し尿細管性蛋白尿を呈する.
その測定には蛋白尿鑑別のための定性法と尿細管障害の早期発見,経過観察に有用な定量法を使い分ける必要がある.また,尿細管障害がなくとも尿細管再吸収能を超える個々の低分子蛋白の血中での産生亢進時にも尿細管性蛋白尿を呈するため,その鑑別には微量アルブミンとの組み合わせ測定,あるいは血中濃度とのペア測定が有効である.
本稿では低分子蛋白を中心に,蛋白尿の考えかた,尿の扱いについても触れた.
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