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組織診と細胞診
著者: 長谷川章雄12
所属機関: 1小田原市立病院病理・臨床検査科 2東京大学医学部
ページ範囲:P.1100 - P.1100
文献購入ページに移動 組織診と細胞診を主とする病理診断の特殊性は,ひとたび癌と形態学的に診断されれば多くの場合臨床家をしてなんらかの治療行為に至らしめるように,この検査の成績が患者の運命をほとんど左右する重みを有する点にある.平成6年の社会保険診療報酬点数の改訂に当たって,病理学的検査料が第1款検体検査(尿,血液学,生化学,免疫学,微生物学)から分離して独立の第2款として扱われるようになった背景には上記の点もあるのであろう.また,今回の点数改訂では「病理学的検査を専ら担当する常勤医」が勤務する病院においては,病理検査を行った患者については,月1回病理診断料210点が加算されうるようになった.これにより病理診断医はある意味では,各検体ごとについてではなく,各患者に対しての医学管理責任を迫られているとも解釈されうる.日本病理学会は昭和53年に認定病理医制度を発足させ,病理学が実地診療体系の中で明確な基盤を得られるように努力してきており1),本年には学会認定医協議会,日本医学会,日本医師会の三者協議会による基本的14診療領域の認定医の承認が開始されている.
病理組織診断は,いうまでもなく脳の形態認識能に依存しており,網膜に投影された像の中から正常でない要素を識別し,その病的変化の質を医学知識に照らして判断する行為である.
病理組織診断は,いうまでもなく脳の形態認識能に依存しており,網膜に投影された像の中から正常でない要素を識別し,その病的変化の質を医学知識に照らして判断する行為である.
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