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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻13号

1994年12月発行

文献概要

検査ファイル

プロテアーゼによるASTmの測定法

著者: 白波瀬泰史1

所属機関: 1国際試薬(株)研究開発部

ページ範囲:P.1103 - P.1103

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はじめに
 ASTアイソザイムには,細胞質(supernatant)由来のASTsとミトコンドリア(mitochondria)に局在するASTmの2種のアイソザイムが存在する.ASTmは細胞壊死などの重篤な傷害によって血中に逸脱するため,肝障害,心筋梗塞などの臨床診断上重要なマーカーであるが,参考基準範囲は5U/l以下であるため活性測定には注意を要する.
 ASTsおよびASTmの分子量はそれぞれ9.3万,8.8万であり,互いに2つのサブユニットからなるが,アミノ酸一次構造は非常に異なっている.したがって蛋白表面のアミノ酸組成が異なるため等電点も大きく異なる(ASTsが6,ASTmが9).電気泳動法,カラムクロマトグラフィー法,免疫法などによるASTアイソザイムの分画はいずれもこの性質を利用しており,プロテアーゼによる分画も例外ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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