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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻13号

1994年12月発行

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トピックス

新型コレラ菌O139 Bengalとその流行

著者: 竹田美文1

所属機関: 1国立国際医療センター研究所

ページ範囲:P.1108 - P.1110

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 コレラ菌(Vibrio cholerae)は,O抗原の違いによって,138種類以上の血清型に分けられている1).このうち,コレラの原因となるのは,O1血清型に属するコレラ菌(V. cholerae O1)で,しかもコレラ毒素を産生する菌である.一方,O2〜O138の血清型に属する菌は,まれにコレラ毒素を産生する菌もあるが,一括してnon-O1コレラ菌と呼び,コレラの原因菌とは考えられていなかった.わが国では食中毒の原因菌として扱われている.
 ところが,1992年10月,インド南部のマドラスで,non-O1コレラ菌によるコレラ様下痢の大流行が発生した2).同じようなnon-O1コレラ菌による下痢の流行が,ほぼ同時にバングラデシュ南部でも確認された3).どちらの流行の原因菌も,O1血清型に属さないばかりでなく,既知のO2〜O138のどの血清型にも属さず,しかもすべてがコレラ毒素産生菌であった.Shimadaら4)は,このnon-O1菌をO139 Bengal型(ベンガル型コレラ菌)と名づけた.ベンガル型と名づけたのは,流行が発生したのがベンガル湾沿いであったためである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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