文献詳細
生体のメカニズム 遺伝子の異常・3
文献概要
癌がウイルスによって起こされるのではないかという考えは1900年代初めよりあったが,実際に動物の癌がウイルスによって起こされることが証明されたのは1911年Rous sarcoma virus(RSV)による肉腫が最初であった.その後もマウス,鳥類などの白血病や肉腫がウイルスによるものであることが示されてきた.当初はこれらの現象はヒトの発癌とは関連がないという考えが支配的であった.その後,成人T細胞白血病(ATL)などがウイルス感染により起こされていることがわかり,分子生物学的機序もしだいに明らかとなり,ヒトにおいても一部の癌はウイルスによって起こされていることがわかってきた.
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