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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻3号

1994年03月発行

文献概要

検査データを考える

PT,APTT延長

著者: 粉川皓年1 野村昌作1

所属機関: 1関西医科大学第一内科

ページ範囲:P.231 - P.234

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はじめに
 凝固系の異常の基づく出血は特徴ある臨床症状を呈することが多く,診断に際してはそれぞれの特徴を十分の理解し,適切な検査法を選択することが必要である.凝固系の検査にはいくつかの種類があるが,中でも基本となるのは,プロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の2つの検査である.PTは,主に外因系凝固(第Ⅶ因子,Ⅹ因子,Ⅴ因子,Ⅱ因子,フィブリノゲン)の機能を反映し,APTTは主に内因系凝固(第ⅩⅡ因子,プレカリクレイン,高分子キニノゲン,ⅩⅠ因子,ⅠⅩ因子,Ⅷ因子,Ⅹ因子,Ⅴ因子,Ⅱ因子,フィブリノゲン)の機能を反映する凝固検査である.いずれの検査も,各種凝固因子の欠乏症・異常症の診断に用いられたり,あるいは凝固因子が肝臓で生成されることから肝疾患の診断に用いられたりしている.また,第Ⅶ因子,Ⅹ因子,Ⅱ因子,フィブリノゲンの4因子の産生にビタミンKが関与することからビタミンKの拮抗剤である経口抗凝血剤(ワーファリンなど)療法のコントロールの指標としても普及している.
 APTTは,第ⅩⅡ因子(接触因子)を十分に活性化するために試薬中の活性化剤を加えて実施する部分トロンポプラスチン時間(PTT)のことで,PTTよりも短時間にしかも安定した成績が得られるのが特徴である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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