文献詳細
文献概要
検査法の基礎
尿濃縮,希釈試験
著者: 安藤明利1 渡辺由香1
所属機関: 1東京女子医科大学第四内科
ページ範囲:P.311 - P.316
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動物は進化の過程で,一部は陸に上がり必ずしも常時水と接することのない環境で生命を営むこととなった.また摂取した食物の代謝産物,過剰な電解質は溶媒に溶けた溶質として尿中に排泄される必要がある.すなわち物質の出納の平衡維持に溶質とともに排泄される一定量の水が不可欠である.一方,多量の水が生体に負荷され,もし負荷量が排泄されず生体内にとどまれば,血漿浸透圧低下,細胞の膨化を経て生命を脅かす状態になりかねない.したがって尿の濃縮,希釈は生体の水出納の平衡維持に不可欠な基本的機能である.本稿では尿の濃縮,希釈機構とそれにかかわる臨床検査について解説した.
動物は進化の過程で,一部は陸に上がり必ずしも常時水と接することのない環境で生命を営むこととなった.また摂取した食物の代謝産物,過剰な電解質は溶媒に溶けた溶質として尿中に排泄される必要がある.すなわち物質の出納の平衡維持に溶質とともに排泄される一定量の水が不可欠である.一方,多量の水が生体に負荷され,もし負荷量が排泄されず生体内にとどまれば,血漿浸透圧低下,細胞の膨化を経て生命を脅かす状態になりかねない.したがって尿の濃縮,希釈は生体の水出納の平衡維持に不可欠な基本的機能である.本稿では尿の濃縮,希釈機構とそれにかかわる臨床検査について解説した.
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