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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻4号

1994年04月発行

文献概要

技術講座 微生物

感受性試験のための抗菌剤の基礎知識—[1]β-ラクタム剤

著者: 井上松久1 長曽部紀子1 島内千恵子1 井田孝志1

所属機関: 1北里大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.331 - P.336

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はじめに
 疫学的事実として,1980年前後を境にグラム陽性菌ではEnterococcus faecalisやStaphylococcus aureusの増加,methicillin-resistant S. aureus(MRSA),Streptococcus pneumoniaeではpenicillin G耐性菌の出現,グラム陰性菌ではProteus属の減少とPseudomonas aeruginosaやAcinetobacter calcoaceticusの増加,あるいはXantomonas maltophiliaの出現などの臨床分離細菌の菌種が変化してきている.これら臨床分離細菌の菌種の変動は,過去10年間に感染治療に使われたβ-ラクタム剤やキノロン剤などの薬剤と密接にかかわっていることは間違いなく,その結果,薬剤耐性菌の出現においても,かつてみられなかった新たな問題が生じてきている.これらの菌株に対するβ-ラクタム剤の感受性試験を行う際,注意すべき内容について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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