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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻4号

1994年04月発行

文献概要

生体のメカニズム 遺伝子の異常・4

発癌遺伝子の発現と活性化

著者: 山村研一1

所属機関: 1熊本大学医学部遺伝発生医学研究施設

ページ範囲:P.355 - P.358

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はじめに
 20年前に筆者が医学部を卒業するころは,癌の原因として放射線,化学発癌物質,ウイルス,そして遺伝的なものなどが考えられ,相互に関連なきものとしてとらえられていた.しかし,現在では誘因は何であれ,細胞内の遺伝子の異常によって癌が引き起こされることが明らかになっている.癌化に関与する遺伝子として,癌遺伝子と癌抑制遺伝子が単離同定されてきたが,この研究の中で培養細胞を用いた系の果たした役割は大である.しかし,癌は本来個体の中で正常な活動を行っていた細胞が遺伝的変化を生じ発生するということと,癌細胞が独立した環境下で発生するのでなく周囲の細胞の影響を受けながら癌化するので,個体の系による癌研究が必要である.このための手段としてトランスジェニックマウスは極めて有効である.本稿では癌遺伝子導入マウスを用いて明らかにされた知見についてまとめてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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