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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻4号

1994年04月発行

文献概要

トピックス

HCVのgenotypeとインターフェロン療法の効果

著者: 八橋弘1 矢野右人1

所属機関: 1国立長崎中央病院臨床研究部

ページ範囲:P.372 - P.373

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 HCV抗体測定が可能となってから,わが国で従来,NANB型慢性肝炎とされていたものの95%以上がC型肝炎であることが判明した.さらに日赤供血者スクリーニングの成績より,わが国には200万人以上のC型肝炎ウイルス感染者が存在することも明らかとなった.C型慢性肝炎の自然経過は,極めて緩徐な進行をとり,ほとんどの患者は,臨床症状を有さない.またC型慢性肝炎が自然に治癒することは極めてまれであり,10年,20年の長い経過の後に約30%は肝硬変に進展し,さらにC型肝硬変の約半数に肝癌が発生する.
 一方,自然には治癒しないC型慢性肝炎に対してインターフェロン治療を行うと,約30%の患者ではウイルスが完全に排除され,この治療によりC型肝炎が治癒することも明らかとなった.特にわが国で対象となる患者数も多く,さらにインターフェロンが保険適応となったことから,C型肝炎に対するインターフェロン療法は,現在最も脚光を浴びている治療法の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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