文献詳細
文献概要
増刊号 免疫検査実践マニュアル 総論 Ⅱ.免疫学的測定法 5.標識免疫測定法
(2)ラジオイムノアッセイ
著者: 内村英正1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.55 - P.56
文献購入ページに移動■競合アッセイ法
図1に競合アッセイの原理とその標準曲線を示す.ここで大事なことは抗体の量と標識抗原の量(数)が一定となっており,検体(または標準品)の量が変化することである.既知の標準物質について適当な点(図では4点)をとり標準曲線を描き,その図から未知の検体中の物質を読み取る.
標準曲線を作成するに当たって結合率を求めるのであるが(図で抗体と結合している標準抗原の数),そのためには抗体に結合したもの(bound)と,非結合の標識抗原(free)とを分離する必要があり,これをB/Fの分離という.ヘテロジニアスのイムノアッセイで物質を測定するためには必ずこのB/F分離を行わねばならない.現在広く用いられているB/F分離法は固相法である.固相として利用されているのは試験管,プラスチックのビーズや磁性を帯びた鉄粉などである.試験管の場合は内壁に均等に抗体が被覆されている(ビーズでは表面に抗体が被覆されている).イムノメトリックアッセイにおける固相法の原理を図2に示す.図は試験管固相法の場合である.固相法が一般化するまではB/F分離法は二抗体法,チャコールによる吸着性あるいは抗体を沈殿させるポリエチレングリコール(PEG)法などが用いられたが,現在はこれらの方法に代わって固相法が広く用いられている.その理由はこれらの方法は遠心操作と沈殿物と上清を分ける操作を必要とし,極めて煩雑で時間がかかることによる.
図1に競合アッセイの原理とその標準曲線を示す.ここで大事なことは抗体の量と標識抗原の量(数)が一定となっており,検体(または標準品)の量が変化することである.既知の標準物質について適当な点(図では4点)をとり標準曲線を描き,その図から未知の検体中の物質を読み取る.
標準曲線を作成するに当たって結合率を求めるのであるが(図で抗体と結合している標準抗原の数),そのためには抗体に結合したもの(bound)と,非結合の標識抗原(free)とを分離する必要があり,これをB/Fの分離という.ヘテロジニアスのイムノアッセイで物質を測定するためには必ずこのB/F分離を行わねばならない.現在広く用いられているB/F分離法は固相法である.固相として利用されているのは試験管,プラスチックのビーズや磁性を帯びた鉄粉などである.試験管の場合は内壁に均等に抗体が被覆されている(ビーズでは表面に抗体が被覆されている).イムノメトリックアッセイにおける固相法の原理を図2に示す.図は試験管固相法の場合である.固相法が一般化するまではB/F分離法は二抗体法,チャコールによる吸着性あるいは抗体を沈殿させるポリエチレングリコール(PEG)法などが用いられたが,現在はこれらの方法に代わって固相法が広く用いられている.その理由はこれらの方法は遠心操作と沈殿物と上清を分ける操作を必要とし,極めて煩雑で時間がかかることによる.
掲載誌情報