icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅰ.ホルモン 1.下垂体

(1)GH,ソマトメジンC

著者: 中井利昭1 竹越一博2

所属機関: 1筑波大学臨床医学系臨床病理(検査部) 2獨協医科大学内科

ページ範囲:P.86 - P.88

文献購入ページに移動
■臨床的意義
 成長ホルモン(growth hormone;GH)は,成長促進作用(骨増生作用)および蛋白・脂質・糖・電解質など広範な物質代謝に関与している下垂体前葉ホルモンである.これらの作用の中で,主要な骨増生作用,蛋白合成促進作用の一部については,GHを介して分泌されるソマトメジンCがあずかっている.ソマトメジンCは,図1のように,下垂体から分泌されたGHが肝などソマトメジン産生細胞に働き,分泌されるものである.最近はソマトメジンCをIGF-Ⅰ(insulin-like growth factor-Ⅰ)と呼ぶよう提案されているが,ソマトメジンCの呼び名がなお用いられることが多い.
 GHの分泌は,成長ホルモン分泌促進因子(GRF)と成長ホルモン分泌抑制因子(GIF)によって調節されている.GIFはソマトスタチンであり,GHのみでなくTSHの分泌をも抑制している.このソマトスタチンは主に視床下部の前視索領域で生合成される.一方,GRFは主として弓状核および腹側内側核で生合成される.運動,食事などの代謝因子,いろいろなストレス,睡眠などが視床下部に感知され,それに応じて分泌されたGRF,GIFが下垂体門脈系を介して下垂体に達してGH放出が調節される(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?