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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅰ.ホルモン 2.甲状腺・副甲状腺

(3)TSH

著者: 須川秀夫1 森徹1

所属機関: 1京都大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.107 - P.109

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■TSHとは
 甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone;TSH)は,脳下垂体前葉にある好塩基性細胞(thyrotroph)から分泌されるペプチドホルモンの1つである.甲状腺細胞表面の受容体に結合し,その名の示すように甲状腺細胞を刺激し,細胞の増殖,ホルモン合成,サイログロブリン合成,ヨードの取り込みなどを誘導促進する.TSH分子の約15%は糖鎖からできており,αとβの2種類のサブユニットが非共有結合して分子量約28,000のTSH分子を構成している.黄体化ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH),ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)などのホルモンも同様にα,βサブユニットで構成されているが,TSHを含めこれらのαサブユニットは共通であり1),それぞれのホルモンが発揮する特異性はβサブユニットによって規定されている2,3).また,これらのαやβサブユニット単独では作用が発現されないことから,血中TSHを正確に測定するために,市販の測定キットにはTSHβサブユニットに特異的でかつ2種のサブユニットから正しく構成されている分子を測定できるような工夫が施されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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