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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

話題

インターロイキン3

著者: 西田淳二1

所属機関: 1帝京大学医学部第一内科

ページ範囲:P.150 - P.150

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 IL-3と略される.マウスIL-3は,シグナルペプチドを含む166個のアミノ酸残基から成り,4個のN-グリコシル化部位を持つ(分子量28,000).ヒトIL-3はシグナルペプチドを含む152個のアミノ酸残基から成り,4個のN-グリコシル化部位を持つ(分子量25,000).ヒトとマウスではアミノ酸配列上29%の相同性を示すにすぎず,種差の最も大きいサイトカインの1つである.生理活性は造血系への作用と免疫系への作用に大別できる.造血系に対してはリンパ球を除く全系統の造血細胞(赤芽球,顆粒球単球,巨核球)のもととなる前駆細胞(造血幹細胞)の増殖と分化を促す.この作用はGM-CSF(顆粒球単球コロニー刺激因子)とほとんど同じである.免疫系への作用はIL-5,GM-CSFなど他のサイトカインと協同して肥満細胞と好酸球を増殖活性化させ,これらの細胞からケミカルメディエーターを放出させることによってアレルギー反応を引き起こす.IL-3は主として活性化Tヘルパー細胞,活性化肥満細胞から産生されるので,炎症などにおける反応性造血や免疫反応に働いていると考えられている.IL-3遺伝子はGM-CSF,IL-4,IL-5などとともにヒト第5番染色体,またはマウス第11番染色体上でクラスターを形成している.疾患との関連性では上記のアレルギー反応における役割が推測されているほか,造血系腫瘍との関連が示唆されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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