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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅱ.腫瘍マーカー

3.NSE

著者: 須藤英一1 四元秀毅1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.158 - P.159

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■NSEの性状と組織内分布
 エノラーゼは哺乳類の全身各組織に広く分布する解糖系酵素で,細胞内における嫌気的解糖の代謝経路の中で2-ホスホグリセリン酸と2-ホスホエノールピルビン酸の過程を触媒する.分子構造としては,分子量約50kdの3種類のサブユニット,α,β,γから成る二量体の酵素である.エノラーゼアイソザイムとしては,αα,ββ,γγのホモダイマー型とαβ,αγのハイブリッド型の計5種類が知られている.このうちγサブユニットを持つγγとαγのいわゆるγエノラーゼは神経細胞と軸索突起の神経組織にのみ存在し,他の組織では認められないとして,neuron specific enolase(NSE)と命名された1)
 NSEは中枢神経組織に圧倒的高濃度で分布し,末梢神経組織にも若干量存在する.肺,心臓,筋肉,肝臓などの組織ではほとんど認められないが,神経内分泌細胞を含む下垂体前葉,甲状腺,膵臓,副腎髄質などの組織にも認められ1,2),さらに,脳下垂体前葉腺細胞,甲状腺傍小細胞,膵ランゲルハンス島細胞,副腎髄質クローム親和性細胞にも免疫組織化学的手法によってこれを見いだすことができる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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