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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅲ.血漿蛋白 3.アポ・リポ蛋白

(2)Lp(a)

著者: 山下寿美子1 野間昭夫2

所属機関: 1岐阜大学医学部附属病院中央検査部 2岐阜大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.192 - P.194

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 脂質は水に不溶であり,生体内では蛋白と結合してリポ蛋白として溶存している.リポ蛋白(a)〔Lp(a)〕はリポ蛋白の1つである.リポ蛋白の性状を表に示す.Lp(a)の化学的組成はLDLに極めて類似している.図1にLp(a)の構造的模式図を示す.Lp(a)の構造はLDL類似粒子の表面にS-S結合した蛋白成分であるアポ(a)が覆った形と考えられている.アポ(a)は内部に3つのS-S結合を含むアミノ酸構造体であるクリングルと称する構造を多数有している.このクリングルは驚くべきことに線溶系に働くプラスミノゲンの持つ5つのクリングルのうち4番目のものと構造的相同性が高く,アポ(a)ではこのクリングル4を繰り返し,最高37個持つといわれ,この繰り返しの数の違いによってアポ(a)はイソ型を有している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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