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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

話題

インターロイキン5

著者: 高津聖志1

所属機関: 1東京大学医科学研究所免疫学研究部

ページ範囲:P.194 - P.194

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1.インターロイキン5とその受容体
 インターロイキン5(IL-5)はT細胞や肥満細胞により産生されるサイトカインで,活性化B細胞による抗体産生を促進するのみならず,骨髄中の好酸球前駆細胞に選択的に作用し好酸球コロニーを形成せしめ,成熟好酸球の試験管内生存を支持し,好酸球遊走活性を示すとともにスーパーオキサイドの産生も惹起する.近年IL-5/IL-5受容体系が炎症反応や免疫応答の調節系に重要な役割を果たしていることがわかってきている.
 IL-5は標的細胞上の高親和性IL-5受容体(IL-5R)を介して作用する.高親和性IL-5Rは約60kd(α鎖)と約130kd(β鎖)の異なる蛋白質より構成されるが,α鎖はIL-5特異的であり,IL-5と低親和性で結合するが,それのみではIL-5シグナルを伝達できない.IL-5Rβ鎖はそれ単独ではIL-5結合能を示さないが,α鎖存在下に高親和性受容体を構成し,IL-5シグナルを伝達する.このようにβ鎖はIL-5のシグナル伝達に必須であるが,それはIL-3RやGM-CSFRのシグナル伝達分子(β鎖)としても機能する.IL-5R,IL-3R,GM-CSFRが共通のβ鎖をシグナル伝達分子として利用している事実は,サイトカインネットワークと同様にサイトカイン受容体ネットワークの存在を示唆するものであり,サイトカインの作用の重複を考えるうえで興味深い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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