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増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅴ.自己免疫・アレルギー 1.自己免疫
(4)抗リン脂質抗体
著者: 遠藤安行1
所属機関: 1秋田大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.208 - P.209
文献購入ページに移動 全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)の患者に存在し,後天性血栓傾向を示す循環抗凝血素について初めて報告したのは1952年,ConleyとHartman1)であるが,このとき,各凝固因子は正常と述べられている.1971年,FeinsteinとRapaportはこれをlupus anticoagulant(LA)2)と命名したが,Shapiroら3)の研究により,LAはホスファチジルセリンなどのリン脂質と反応し,プロトロンビンや第X因子のリン脂質ミセルへの結合を阻止することが判明した.一方,臨床的にはLAの存在はSLEなどの膠原病に限らず,分娩後,多発性骨髄腫,長期のクロルプロマジン服用者などにも認められることが報告されてきた.SLEに存在するLAについては本誌中別項があるので,ここではマイクロプレートを用いたELISAサンドイッチ法による,各リン脂質抗体(APA)の測定法について述べてみたい.
表1に循環抗凝血素陽性でLAの存在が疑われるに必要な検査項目を,表2には現在検出できるリン脂質の種類を示す.
表1に循環抗凝血素陽性でLAの存在が疑われるに必要な検査項目を,表2には現在検出できるリン脂質の種類を示す.
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