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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

話題

インターロイキン6

著者: 田賀哲也1

所属機関: 1大阪大学細胞生体工学センター免疫系形成研究分野

ページ範囲:P.220 - P.220

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 インターロイキン6(interleukin-6;IL-6)は種々のタイプの細胞に作用し,増殖促進,増殖抑制,分化誘導,特異的遺伝子発現などのさまざまな生物学的反応を促す1).IL-6の産生異常と,リンパ球系腫瘍や自己免疫疾患,さらに最近では骨粗鬆症との関連も見いだされている2〜4).IL-6がその作用を発揮するメカニズムの研究は,したがって重要な意義を持つ.
 IL-6の信号は,IL-6結合鎖(IL-6R)と信号伝達鎖(gp130)の二本鎖から成る複合体によって細胞内に伝達される5).IL-6R,gp130はともに血液系サイトカイン受容体ファミリーに属している6).両分子は,IL-6の存在下に初めて会合し,これが信号伝達の引き金となる.なおこの会合には両分子の細胞外領域がかかわるため,IL-6Rの膜貫通ドメインと細胞内領域を欠く可溶性IL-6RもIL-6を結合後,gp130と会合して信号を伝えることができる5).gp130は,IL-6だけでなく他のサイトカイン,例えばleukemia inhibitory factor(LIF),oncostatin M(OM),ciliary neurotrophic factor(CNTF),IL-11の信号伝達にも関与している1,7,8)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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