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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅶ.凝固

6.tPA,PAI,tPA-PAI-1複合体

著者: 天野景裕1 福武勝幸1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.249 - P.252

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 生体内で出血が生じた場合,血液凝固が起こり最終的にフィブリンによる血栓が生じる.しかし,その血栓が長期に血管内に存在すると組織の虚血性変化をきたしてしまったり,血栓症を生ずる可能性があるため,その防御反応として血栓溶解が起こる.血栓溶解反応は線維素溶解反応(線溶)といわれ,プラスミノゲンアクチベーター(plasminogen activator;PA)によりプラスミノゲンが活性化されプラスミンとなり,プラスミンが線維素(フィブリン)を溶解することである.主な血中PAとしては血管内皮細胞由来の組織型PA(tissue-type PA;tPA)と,主として尿中に存在するウロキナーゼ型PA(uPA)が知られているが,フィブリンに対してより強い親和性を有するtPAが血栓溶解活性の律速酵素として最重要視されている.
 また,さらにこの血栓溶解反応があまりに早期にかつ強力に働きすぎると完全に止血がなされない状態で再出血をきたすことになるため,線溶系の作動するタイミングとスピードを適度に制御する機構としてプラスミノゲンアクチベーターインヒビター(plasminogen activator inhibitor;PAI)やα2プラスミンインヒビターがある.PAIには4種類が同定,解析されているが,本稿ではtPA阻害の点からみて最も重要な役割を果たしていると考えられているPAI-1について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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