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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅶ.凝固

8.ループスアンチコアグラント

著者: 大久保進1

所属機関: 1関西医科大学第一内科

ページ範囲:P.258 - P.260

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■ループスアンチコアグラントとは
 正常人血中には存在しない凝固阻止物質(循環抗凝血素,抗凝固因子,インヒビター)には,血友病患者で凝固因子製剤の反復補充療法の結果産生される同種抗体や,自己免疫疾患,妊娠や悪性腫瘍などに伴って産生される凝固第Ⅷ,Ⅸ,Ⅴ因子などの特定の凝固因子活性を阻害する抗体と,最初,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)の患者で見つかったループスアンチコグラント(ループス型抗凝固因子,lupus anticoagulant;LA)とがある.LAはホスファチジルセリン,ホスファチジン酸,カルジオリピンなどのリン脂質と反応し,プロトロンビンアクチベーター(活性化凝固第Ⅴ,同X因子,リン脂質,Caイオン)複合体の生成や,そのプロトロンビンとの反応を抑制し,トロンビンの生成を阻害する大部分はIgG,IgMに属する免疫グロブリン(抗体)1)である.SLEでよくみられる梅毒反応の生物学的偽陽性(BFP)の原因となる抗カルジオリピン抗体(aCL)や,固相化リン脂質を用いたELISA法で検出されるELISA-リン脂質抗体2)とともに,LAは抗リン脂質抗体(aPL)と総称される.LAとBFPとは関連し,LAとaCLの大部分は同一抗体であるが,しかし必ずしも同一ではなく1),また,aPLでもLA活性を持たないものもある3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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