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増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅶ.凝固
9.PIVKA-Ⅱ
著者: 中尾昭公1
所属機関: 1名古屋大学医学部第二外科
ページ範囲:P.261 - P.262
文献購入ページに移動 PIVKA-Ⅱ(protein induced by vitamin K absence or antagonist Ⅱ)はビタミンKの不足やビタミンK拮抗剤(ワーファリンなど)の投与,肝実質細胞障害などによって出現する機能的に異常な血液凝固第Ⅱ因子(プロトロンビン)のことである.プロトロンビンは肝臓で合成されるが,その生成過程でビタミンKを触媒として必要とする.プロトロンビンのアミノ末端付近にはカルシウム結合能を有するγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)残基が10個存在しているが,ビタミンK欠乏時とワーファリン投与時,肝実質細胞障害などにより,10個のGlaのすべて,あるいは一部がグルタミン酸(Glu)残基のまま血中に出現してくることがあり,これを異常プロトロンビン,すなわちPIVKA-Ⅱ,あるいはdes-γ-carboxy-prothrombin(DCP)ともいう.
PIVKA-Ⅱの定量は従来,二次元交差免疫電気泳動やラテックス粒子凝集法などで行われてきたが,PIVKA-Ⅱに対するモノクローナル抗体が作製され1),それを用いた高感度免疫測定法(EIA)が確立された1,2).またPIVKA-Ⅱは肝細胞癌患者において高率に認められることが明らかにされ3),肝細胞癌の腫瘍マーカーとしても注目されてきている.
PIVKA-Ⅱの定量は従来,二次元交差免疫電気泳動やラテックス粒子凝集法などで行われてきたが,PIVKA-Ⅱに対するモノクローナル抗体が作製され1),それを用いた高感度免疫測定法(EIA)が確立された1,2).またPIVKA-Ⅱは肝細胞癌患者において高率に認められることが明らかにされ3),肝細胞癌の腫瘍マーカーとしても注目されてきている.
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