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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 Ⅷ.感染症 3.ウイルス感染症の免疫検査

(3)ヘルペスウイルス感染症

著者: 中村良子1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院臨床病理科

ページ範囲:P.289 - P.295

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■ヘルペスウイルス感染症の臨床検査
 ヒトヘルペスウイルス科のウイルス(以下ヘルペスウイルスと省略)は,外径120〜130nmのエンベロープを持つ球状DNAウイルスで,α,β,γの3つの亜科に分類されている.ヘルペスウイルス感染症は,表1に示すように各年齢層にわたる多彩な臨床像を示す.
 ヘルペスウイルスの特徴は,ヒトに初感染(多くの場合,幼小児期に不顕性感染)後,体内に持続感染(潜伏感染)することである.したがって,ほとんどの成人は抗体陽性で,ウイルスと生涯共存状態にある.免疫不全状態では,時に外因感染(初感染)と内因感染(回帰発症;reactivation)のどちらであるかの判断を要する.近年,ヘルペスウイルス感染症は臓器移植,輸血などに伴う医原性感染や,後天性免疫不全症候群(aquired immunodeficiency syndrome;AIDS)などのimmunocompromised hostにおける日和見感染症として注目されている.またアシクロビル(ACV),ガンシクロビル(GCV)などの化学療法が可能となり,迅速診断による早期治療が重要である1〜3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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